3月7日(木)に東京大学で開催された国際研究者組織の会議(ICFA※1、LCB※2)において、文部科学省はILC計画に関する見解を発表し、その中で「日本政府としてILC計画への初の関心」について表明されました。
【見解のポイント】
① 日本学術会議の所見を踏まえ、現時点で日本誘致の表明には至らなか
った。
② 文部科学省はILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続する。
③ ILC計画の意義として、「学術的意義」、「技術的研究」、「立地地域への効果」の3点に言及した。
④ 国内の科学コミュニティの理解・支持の獲得を含め、正式な学術プロセス(日本学術会議のマスタープラン等)での議論を求めた。
これを受け、会議後に国際研究者組織の議長が記者会見を行うとともに、3月22日(金)にはICFAが正式な声明を公表し、「日本政府のILC関心表明をILC実現への道筋に沿った重要なマイルストーン」と評価しました。
また、会議当日は東北経済連合会及び東北ILC推進協議会として声明を公表したほか、 超党派の国会議員から成る「リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟」も声明を公表しました。
【議員連盟声明のポイント】
① 政府の前向きな関心、国際研究者組織の前向きな受け止めを歓迎する。
② ポストオリンピックの未来への投資として、ILC計画を推進していく覚悟である。
今後は、文部科学省の見解が言及した日本学術会議マスタープランの検討が2020年2月頃の策定に向けて行われるほか、国際研究機関であるILCにとって重要な欧州素粒子物理戦略の検討が、2020年5月の決定に向けて行われます。
また、高エネルギー加速器研究機構が、経費分担等の考え方を含め国際的な意見交換を行う国際ワーキンググループを設置することとしております。
東北ILC推進協議会では、ILCのホストに向けた日本政府による明確な意思表明に向けて、①政府への政策提言・要望活動、②国民的理解促進のための普及啓発活動、③経費分担等に関する国際的な意見交換への支援などに取り組んで参ります。
皆様におかれましては、ILC実現に向けて、引き続き、力強いご支援・ご協力をお願い申し上げます。
※1 ICFA:国際将来加速器委員会[議長 Geoffrey Taylor氏(メルボルン大)]
※2 LCB :リニアコライダー国際推進委員会[議長 中田 達也氏(スイス工科大ローザンヌ校)]